とっとこ駆け出しエンジニアぶろぐ: Perlのガベージコレクションの仕組みについて

Perlのガベージコレクションの仕組みは、参照カウント方式と呼ばれるものです。
参照カウント方式は、シンプルで高速であるが、仕組みを知らずにPerlのコードを書いてしまうとメモリリークを起こしてしまいます。

##### 環境構成
* MacOS X
* Perl 5.1.0

##### 参照方式カウントとは
Perlは、ガベージコレクションの仕組みとして参照カウント方式を採用しています。 
 
参照方式とは、一つのオブジェクトに対して一つの参照カウンタがそのオブジェクトへ参照する術が、
いくつあるか数えて0になった時点で、オブジェクトを破棄してメモリから開放する方式である。 
 
#### 参照カウント方式の特徴
* 処理が単純であり、高速である 
* 参照カウンタが0になった時点で、オブジェクトを破棄するのでメモリを省メモリである
* オブジェクトの循環参照が起きてしまうとメモリリークが起きる

実際にどんな挙動をするのか確認してみる。 
Devel::Peekは、参照カウンタを調べるパッケージ。 
Devel::Cycleは、メモリリークを調べるパッケージ。

<pre class="brush: bash">
sudo cpan Devel::Peek
sudo cpan Devel::Cycle
</pre>

Devel::PeekのDumpサブルーチンで参照カウンタ(REFCNT)を確認ができる。 
オブジェクトの作成と同時に参照カウンタが1になっている。

<pre class="brush: perl">
use 5.010;
use strict;
use warnings;
use Devel::Peek;

my $a = '';
# REFCNT = 1
Dump $a;
</pre>

変数$aにundefをセットしてもオブジェクトがメモリ空間から開放されるわけでないので、参照カウンタは1のまま。

<pre class="brush: perl">
$a = undef;
# REFCNT = 1
Dump $a;
</pre>

$copy_aに$aを値渡しをしているので、$aの参照カウンタは増えない。

<pre class="brush: perl">
my $copy_a = $a;
# REFCNT = 1
Dump $a;
</pre>

$ref_aに参照渡しをしているので、参照カウンタが１増える。

<pre class="brush: perl">
my $ref_a = \$a;
# REFCNT = 2
Dump $a;
</pre>

$ref_a2に参照渡しすることで、参照カウンタ１増えるが、スコープを出ると1減る。 
$aを参照している$ref_aに別の値を入れると、参照関係が成り立たなくなるので１減る。

<pre class="brush: perl">
if (1) {
 my $ref_a2 = \$a;
 # REFCNT = 3
 Dump $a;
}
# REFCNT = 2
Dump $a;

# REFCNT = 1
$ref_a = '';
Dump $a;
</pre>

参照カウンタが0になるとメモリから開放されますが、Perlはメモリプールを使うので開放したメモリはPerlが予約している状態になっている。 
そのためPerlのプログラムが終了するまで、他のプログラムはそのメモリを使うことができない。

##### メモリリークについて
参照カウンタ方式は、循環参照が起きてしまうとメモリから解放されず、メモリリークが起きてしまいます。  
循環参照は、オブジェクト同士が参照しあうことを言います。  
Devel::Cycleのfind_cycleで循環参照が起きていないか確認できます。

<pre class="brush: perl">
use 5.010;
use strict;
use warnings;
use Data::Dumper;
use Devel::Cycle;

# 無名ハッシュリファレンス
my $a = {key_b => undef,};
my $b = {key_a => undef,};

# 無名ハッシュリファレンスのアドレスが代入されている
say $a;
# 無名ハッシュのアドレスからデリファレンスした値
say Dumper $a;

say $b;
say Dumper $b;

# 循環参照させる
$a->{key_b} = $b;
$b->{key_a} = $a;

say '######################';
say Dumper $a;

say Dumper $b;

say '######################';
# $a, $bともに循環参照が発生しているので、出力される
find_cycle($a);
find_cycle($b);

say '######################';
$a = 'hogehoge';

say $a;
say Dumper $a;

say $b;
say Dumper $b;

# find_cycle($a) 出力されない
find_cycle($a);
# find_cycle($b) 出力される
find_cycle($b);
</pre>

$aに'hogehoge'を代入したのに、最後のfind_cycle($b)で循環参照が起きていることを確認できます。 
何故、$aが$bを参照しなくなったのに循環参照が起こっているかというと、
$aのオブジェクトだった無名ハッシュリファレンスを$bが参照しているため参照カウントが0にならずメモリが開放されないため。 
 
$bが参照している限りメモリが開放されず、メモリリークが起きるというわけです。

##### メモリリークを起こさないためには？
メモリリークを起こさない対策

* そもそも循環参照を使わない
* Data::Decycleを使う

Data::Decycleを使ったことはないのですが、循環参照を強制的に回収できるようです。

##### 最近読んだ書籍

とっとこ駆け出しエンジニアぶろぐ

2014年8月10日日曜日

Perlのガベージコレクションの仕組みについて

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