とっとこ駆け出しエンジニアぶろぐ: Perl 配列スライスについて $array[0]と@array[0]の違い

Perlでコードを書いていて配列の要素を取得するとき
$array[0]というふうに書くのが自然ですが、@array[0]と書いてみたらどうなるのだろうと思いやってみたら両方とも同じ結果が返ってきた Σ(ﾟﾛﾟ;)
代入も問題なくできる。

実はこれ配列スライスというらしい。知らないで使うのはよくないので調べてみた。

#####環境構成
* Perl 5.10

#####Perlにおける$と@について
Perlにおいて$と@はsigilという変数の型を識別するものです。 
<a href="http://hamuhamuengineer.blogspot.jp/2014/06/perl.html">はじめてPerlやってみた</a> "変数について"の項を参照。 
 
これはPerlのコンテキストという概念で 
####$で扱うものをスカラーコンテキスト 
####@で扱うものをリストコンテキスト 
といいます。 
 
Perlでコードを書くなら必須の知識ですね。 
配列の各要素を取り出すときはこう書きます。

<pre class='brush: perl'>
use 5.010;

my @array = (1..5);
say $array[0];
</pre>

結果は1が返ってきます。 
ここでふと@array[0]としたらどうなるのだろうと思いやってみたら1が返ってきてました。

#####配列のスライスについて知る
この @array[0] という書き方は配列スライスというらしい。  
配列スライスで何が嬉しいのかやってみた。

<pre class='brush: perl'>
use 5.010;

my @array = (1..5);
@array[0, 4] = (5, 1);

say @array;
</pre>

結果は52341 
この書き方で0番目と4番目の要素に代入できます。

こんな書き方もできます。

<pre class='brush: perl'>
my @array = (1..5);
@array[0, 4] = @array[4, 0];
</pre>

結果は52341 
配列の0番目と4番目を逆転させています。 
 
####もし引数を多めに指定した場合はどうなるか?

<pre class='brush: perl'>
my @array = (1..5);
@array[0, 4] = (5, 1, 99);
</pre>

結果は52341 
最後の99は無視されて捨てられます。 
エラーで落ちずにそのまま進めてしまう仕様は好き嫌いが分れるところですね。

配列スライスを使うことでコードが短くなり可読性が上がります。 
という事で配列スライスは使っていきましょう。 
といいたいところですが、@array[0]のように要素を一つしか指定しない場合、$array[0]と何が違うのか知っておく必要があります。 
 
#####配列スライス $array[0]と@array[0] 何が違うのか
配列スライスの$array[0]と@array[0] 何が違うのか検証してみた。 
リストコンテキストを代入する際の動きが異なります。 
 
* $array[0]のパターン

<pre class='brush: perl'>
use 5.10.0;

my @array = qw(aaa bbb ccc);
say @array;
$array[0] = qw(ddd eee fff);
say @array;
</pre>

4行目のsayでaaabbbccc 
6行目のsayでfffbbbccc 
$array[0]でfffの前のdddeeeは捨てられています。 
これはスカラーコンテキストの挙動として正しいです。

* @array[0]のパターン

<pre class='brush: perl'>
use 5.10.0;

my @array = qw(aaa bbb ccc);
say @array;
@array[0] = qw(ddd eee fff);
say @array;
</pre>

4行目のsayでaaabbbccc 
6行目のsayでdddbbbccc 
 
@array[0]でdddの後のeeefffは捨てられています。 
これは先程の@array[0, 4] = (5, 1, 99);と同じです。 
 
 
#####検証してみて
検証した結果、両者の違いがわかった。 
滅多になさそうだけど知らないでつかてしまうとハマってしまうかも。 
配列スライスを理解した後に@array[0] (リストコンテキスト)をスカラーコンテキストのように扱うのは誤りだとわかった。 
こんな書き方して動いてしまうのもどうかと思いますが、PerlらしいといえばPerlらしい。 
 
配列スライスは便利なのでドンドン使っていくべきだと思います。 
ですが、@array[0]のように誤って使ってしまわないように 
use warnings; しておきましょう。 
use warnings していればエラーメッセージが出ます。 
 
ちなみに@array[0]の書き方はPerl6だとスカラーコンテキストとして扱われるらしい。 
触ったこと無いので詳しくは知らないです。 
そもそもPerl5とPerl6は別言語扱いのようですしね。 
Perlのメジャーバージョンアップは今後どうなっていくのか...