とっとこ駆け出しエンジニアぶろぐ: OPcacheがどれくらい速くなるのかやってみた

前々からOPcacheの名前をちらほら聞くようになったので導入してみました。
PHP界のトレンドなのでこれからは必須知識となりそうですね。

計測もやってみたのですが、導入は簡単で効果は大きいといったところでしょうか。
それでは、OPcacheやっていきます！！

#####環境構成
* Cent OS  6.4
* PHP      5.4
* Apache   2.2.15
* OPcache  7.0.3

#####OPcacheとは？
簡単に説明するとOPcacheとは、プログラム実行時にオペコードをキャッシュしておく技術です。 
 
PHPはプログラム実行時にソースコードをコンパイルしてオペコードを生成し実行しています。 
そのオペコードをキャッシュすることで、オペコードを生成する為の構文解析やらコンパイルの時間を短縮・サーバの負荷軽減できます。 
PHP 5.5から標準でインストールされるみたいですね。

#####OPcacheをインストールする
PHP5.5以降は、OPcacheが標準でインストールされているはずなのでインストールする必要がありません。 
PHP5.4以前はインストールしてやる必要があります。 
 
インストールにはPECL(ピクル)を使います。PECLはPHPの拡張モジュールをインストールできるものです。

<pre class='brush: bash'>
$ sudo pecl install zendopcache-beta

# 出力略
Build process completed successfully
Installing '/usr/lib64/php/modules/opcache.so'
install ok: channel://pecl.php.net/zendopcache-7.0.3
configuration option "php_ini" is not set to php.ini location
You should add "zend_extension=opcache.so" to php.ini
</pre>

ちゃんと2014年2月時点で最新版の7.0.3がインストールされました。 
phpize faildでインストールできない場合は、php-develをインストールしてください。 
 
準備ができたのでopcache.soを読み込みたいですが、php.iniにzend_extensionを追加すると管理しにくいと思うので/etc/php.d/opcache.iniを作成し先程のInstallingのopcache.soのパスを記述。 
ついでにOPcacheの実行時設定もやっておきます。 
みんな大好きphp.netを参考にしました。 
[ 推奨される php.ini の設定 ]の項 <a href="http://www.php.net/manual/ja/opcache.installation.php">http://www.php.net/manual/ja/opcache.installation.php</a> 
実行時設定 <a href="http://www.php.net/manual/ja/opcache.configuration.php#ini.opcache.save-comments">http://www.php.net/manual/ja/opcache.configuration.php#ini.opcache.save-comments</a>

<pre class='brush: text'>
zend_extension=/usr/lib64/php/modules/opcache.so

opcache.enable=1
opcache.memory_consumption=128
opcache.interned_strings_buffer=8
opcache.max_accelerated_files=4000
opcache.revalidate_freq=60
opcache.fast_shutdown=1
opcache.enable_cli=1
</pre>

httpdを再起動後に、opcache.soを読み込めているか確認。

<pre class='brush: bash'>
$ php -v
Zend Engine v2.4.0, Copyright (c) 1998-2013 Zend Technologies
 with Zend OPcache v7.0.3, Copyright (c) 1999-2014, by Zend Technologies
</pre>

with Zend OPcacheと出力されていれば大丈夫です。 
パラメータが適切に設定されているか確認するにはphpinfo()で確認できます。

#####計測してみる
OPcacheで、どの位速くなるのかOPcache無効時と有効時の速度を比較してみようと思います。 
 
OPcacheを無効にするにはopcache.enable=0にしてhttpdを再起動です。 
計測にはSiegeを使用しました。 
Siegeについてはこちらを参照ください。<a href="http://hamuhamuengineer.blogspot.jp/2014/01/siege.html">Siegeを使って負荷テストしてみる</a> 
実行するプログラムはシンプルに"こんにちわ"をechoするものなので割愛します。

<pre class='brush: bash'>
# 同時接続数10で10秒間計測
$ siege -c 10 -t 10s -b http://127.0.0.1/hello.php
</pre>

実行結果がこちら

<pre class='brush: bash'>
# OPcache無効
Transactions: 31365 hits
Availability: 100.00 %
Elapsed time: 9.09 secs
Data transferred: 1.08 MB
Response time: 0.00 secs
Transaction rate: 3450.49 trans/sec
Throughput: 0.12 MB/sec
Concurrency: 9.85
Successful transactions: 31365
Failed transactions: 0
Longest transaction: 0.01
Shortest transaction: 0.00

# OPcache有効
Transactions: 37729 hits
Availability: 100.00 %
Elapsed time: 9.77 secs
Data transferred: 1.30 MB
Response time: 0.00 secs
Transaction rate: 3861.72 trans/sec
Throughput: 0.13 MB/sec
Concurrency: 9.88
Successful transactions: 37729
Failed transactions: 0
Longest transaction: 0.02
Shortest transaction: 0.00
</pre>

trans/sec(1秒間に処理したリクエスト数かな？)が、OPcache有効のほうが約1.12倍に向上しました。 
若干パフォーマンス向上してるみたいですが、すごく簡単なプログラムだったので劇的に向上することはなかったです。 
それに今どき、プレーンなPHPを使用することはないと思うのでMy Favorite Frameworkの一つFuelPHPでも測定してみました。 
 
 
実行プログラムは先程と同じなので割愛。

<pre class='brush: bash'>
# OPcache無効
Transactions: 888 hits
Availability: 100.00 %
Elapsed time: 9.06 secs
Data transferred: 0.03 MB
Response time: 0.10 secs
Transaction rate: 98.01 trans/sec
Throughput: 0.00 MB/sec
Concurrency: 9.95
Successful transactions: 888
Failed transactions: 0
Longest transaction: 0.18
Shortest transaction: 0.03

# OPcache有効
Transactions: 5095 hits
Availability: 100.00 %
Elapsed time: 9.09 secs
Data transferred: 0.17 MB
Response time: 0.02 secs
Transaction rate: 560.51 trans/sec
Throughput: 0.02 MB/sec
Concurrency: 9.95
Successful transactions: 5095
Failed transactions: 0
Longest transaction: 0.52
Shortest transaction: 0.00
</pre>

####めっちゃ向上してる！！？
trans/secが約5.71倍に向上しました。こいつは、はえーや！ 
フレームワーク特有のコントローラの処理やらオペコードキャッシュされてパフォーマンス向上したということだと思います。 
FuelPHPに限らず、どのフレームワークを使用してもパフォーマンス向上は見込めると思います。 
 
 
さらにOPcache + Varnishで計測してみます。 
Varnishについてはこちらを参照ください。<a href="http://hamuhamuengineer.blogspot.jp/2014/01/varnish.html">Varnishでレスポンス速度を向上させてみる</a> 
計測したのはFuelPHPで、実行プログラムは先程と同じなので割愛。

<pre class='brush: bash'>
# Varnishのみ
Transactions: 67685 hits
Availability: 100.00 %
Elapsed time: 9.20 secs
Data transferred: 2.32 MB
Response time: 0.00 secs
Transaction rate: 7357.07 trans/sec
Throughput: 0.25 MB/sec
Concurrency: 9.63
Successful transactions: 67685
Failed transactions: 0
Longest transaction: 0.07
Shortest transaction: 0.00

# OPcache + Varnish
Transactions: 71105 hits
Availability: 100.00 %
Elapsed time: 9.55 secs
Data transferred: 2.44 MB
Response time: 0.00 secs
Transaction rate: 7445.55 trans/sec
Throughput: 0.26 MB/sec
Concurrency: 9.68
Successful transactions: 71105
Failed transactions: 0
Longest transaction: 0.05
Shortest transaction: 0.00
</pre>

####さらに速い！！
静的コンテンツだからVarnishのパワーが最大限に発揮されて凄くパフォーマンス向上しています。 
しかし、Varnishのみに比べるとやはりOPcache + Varnishの方が速いですね。 
 
#####まとめ
最新の技術を使ってパフォーマンスは確実に向上します。 
しかし、技術を導入する前にサーバのボトルネックを突き止めるのが先です！！ 
ソースコードに無駄なDBアクセスがないか?、SQLの見直し、DBのテーブルの構造見直しetc... 
小手先の技術でごまかしていたら、いつか対応しきれなくなると思います。 
 
僕は結構、苦手なんですよね。サーバのチューニング。。。 
今後、自己成長のためにもサーバのチューニング系の記事を増やしていこうと思います！ 
 
#####最近読んだ本